約束したら、必ず果たせ。できない約束はするな。(田中角栄)

事件の概要

クラウドファンディング開始

2020年12月、元東京大学特任准教授で株式会社Daisy代表取締役の大澤昇平氏が、オリジナル純国産SNSの開発資金調達を目的にクラウドファンディングを開始しました。

同社のプレスリリースには次のような説明があります。
「純国産SNS『Daisy』では、自社の特許技術であるAIアルゴリズムを応用し情報の信頼性を判断することで、運営による検閲のない信頼できる情報を配信するSNSを実現します。開発は元東大特任准教授の大澤代表のゼミ卒業生を中心とする日本国内のエンジニアチームで実施予定。」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000036904.html

クラウドファンディングは2020年12月21日に終了し、総額25,046,839円の資金が集まりました。

当初の説明とは全く別物の保守SNS「SAKURA」

2021年9月29日、株式会社Daisyは純国産保守SNS「SAKURA」β版のリリースを発表。
ところがSAKURAは、ドイツ発祥のブログ向けフリーソフトウエア「マストドン」そのもので、純国産とは到底呼べるものではありませんでした。
また、リリース直前に公開されたYouTubeライブ配信では、自社サーバ10台で運用すると述べていたにも関わらず、実際にはアマゾン社のAWSを使用、予告していた自社の特許技術であるAIアルゴリズムも採用されている形跡が見当たらず、現実には実装していないものと思われます。

不透明な活動資金の使途

更に、SNSの開発が大澤代表の東京大学ゼミ卒業生を中心とする日本国内のエンジニアチームに依頼された形跡も無く、クラウドファンディングに出資した有志がボランティアで事務的作業等を行なっていたことが明らかになっています。
以上の事実から、SNSの開発コストは数百万円程度と推定され、集めた資金約2,500万円との差額について、その使途が問題視されています。